トップメッセージ
組合代表ご挨拶

世界的な供給を実現している国内のサプライチェーンにおいて、国内の労働法規のみを対象だけでなく国際的な規範で抵触の状況を確認することを求められています。日本において、外国人材を受け入れる上でも同様で、国際的な規範という文脈での適合性についての理解・対応が必須となっています。1998年に採択された「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」では、条約を批准していない加盟国へも義務とすることを宣言しました。(結社の自由、強制労働の禁止、児童労働の廃止、雇用・職業差別の排除、安全・健康的な労働環境)
国連においては、上記のILO宣言に加え、移民等の外国人労働者のような弱者の立場の尊重を求める主旨を加えた「ビジネスと人権に関する指導原則」を発表。そしてOECDは1976年に策定した「OECD多国籍企業行動指針」を改訂に改訂を重ね、2011年には「人権」に関わる章を追加しリスク管理の一環としてデューディリジェンスの実施と求める規定を加えました。
国連グローバルコンパクト(2000年創設 人権、労働や環境などの10の原則に賛同する民間企業・団体が自主的に健全なグローバル化に向けて取り組む)でおいても、グローバルコンパクトの10原則を定め、世界で約160か国17,500超の企業が参画しています。一方で、国内企業においては、世界的な供給を実現している企業を中心に海外の人権課題に関わる法律(現代奴隷法/イギリス、連邦調達規則/アメリカ、現代奴隷法/豪)への対処のため同法に基づくステートメントを発出しています。
そういった中、2019年6月に大阪で開催されたG20において労働及び雇用において「ディーセントワークを推進し、持続可能なグローバルサプライチェーンの促進を通じたものを含め・・・児童労働、強制労働、人身売買、および現代の奴隷制を根絶するための行動をとることをコミットメントしたことが再確認」されました。
国内では、ようやく「ビジネスと人権に関する行動計画(NAP)」2020年に策定され、行動計画に「外国人の受け入れ・共生」についても言及されました。 (湯川雄介氏「グローバルスタンダードと送出国法令の解説」より引用)
また、2006年に設立されたPRIによりESGが定義されました。投資家間でもE(環境)S(社会)G(統治)を投資決定の戦略・慣行と定義され、S(社会)の中で労働条件等に関わる内容が組み込まれている。サプライチェーンにおける人権・労働改善の推進の中では外国人労働者の人権や労働改善の推進についての記載があり、国内の外国人技能実習生も含まれるのです。世界では過去にサプライヤーで発生した社会・環境問題が糾弾され不買運動につながったケースが多々あり、サプライチェーンは自社内の問題だけではなく子会社やサプライヤーで発生した問題においても責任や評判の問題となりうるのです。
世界的に様々な要求が増える中、私共は2022年10月より外国人実習事業に参入し、JGSに参画することになりました。JGSは、SDGs「持続可能な開発目標」の目標年限である2030年に向けて、「ビジネスと人権に関する指導原則」を忠実に体現し、サプライチェーン上の組合員様の「CSR調達」の推進・アセスメントに積極的に協力・支援します。
JGSは外国人技能実習生の人権リスク0、意に反した実習0、借金0をめざします。